英語プレイのススメ:「アンチャーテッド」「The Last of Us」

アンチャーテッド
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作品の理解が深まる英語音声+英語字幕

私はまだまだ英語を勉強中の身で、少し長めの英語ニュース記事を読むだけでも何度か辞書を引いてしまうことがある程度の英語力しかありませんが、アンチャーテッドシリーズやラストオブアスシリーズを基本的に英語音声+日本語字幕でプレイしています。もちろん繰り返しプレイするので日本語音声で遊ぶこともありますが、どちらが好きかと聞かれれば迷わず英語音声と答えます。本心を言えば最初から英語音声+英語字幕でプレイしたいのですが、初見では英語の理解が追いつかないためまずは英語音声+日本語字幕でプレイして内容を把握し、それから英語音声+英語字幕でプレイしています。

その程度の英語力しかないのにわざわざ英語音声でプレイするなんてただの英語かぶれなんじゃないの、と思われるかもしれません。しかし、英語でプレイするほうがより作品への理解が深まると考えているのです。

クオリティが高い日本語ローカライズ

私はそれほど多くの海外製ゲームをプレイしたり洋画を見ているわけではありませんが、アンチャーテッドシリーズとラストオブアスシリーズの日本語ローカライズは非常に高いクオリティだと思います。セリフやチャプタータイトルの翻訳は分かりやすいですし、日本語吹き替えの東地宏樹さんや山寺宏一さんをはじめとする声優さんたちの演技は文句のつけようがないと思います。

The Last of Us Part IIでは、セラファイトにレブが追われることになった経緯をヤーラから聞く前まではレブの一人称を「自分」として性別を特定できないようにしているなど、ただスクリプトを訳すだけでなくストーリーの内容を踏まえた日本語訳になっていて感心します。

また、日本語音声でプレイするほうが字幕を追う必要がないぶんストーリーに集中できることも分かっています。

英語の方がキャラクターの個性が分かる

こういった十分なクオリティがある日本語ではなく、なぜ英語でプレイするのか。どの作品も一度は英語音声+英語字幕でプレイしていますが、日本語でプレイしていると気付かない発見があるのです。英語と日本語の両方でプレイしてみて実感したのは、英語音声のほうがキャラクターの個性が分かるということです。

キャラクター同士の関係性が見える

例えば、The Last of Us Part Iでは敵を倒したジョエルのことをテスが”Texas”と呼ぶシーンがあります。

これは荒くれ者のイメージがあるテキサスで生まれ育ったジョエルに対するジョークであり、テスがジョエルの身の上を知っていること、冗談を言える仲であることなどが分かります。日本語音声では「さすがねジョエル」と訳されていて、テキサスというセリフはありません。

日本人にはプロローグのシーンがテキサスであることを一見して読み取るのは難しいですし、ダムでトミーが自宅に帰った話を聞くまでジョエルがテキサス出身であることを知らないプレイヤーも多かったはずです。

また、アンチャーテッドシリーズではキャラクター同士の呼び方にも英語音声と日本語音声で違いがあります。「エル・ドラドの秘宝」ではネイトの旧知であるエディが登場しますが、日本語音声ではお互いを「エディ」、「ネイト」と呼び合っています。しかし、英語音声ではネイトが「エディ」と呼んでいることは変わりませんが、エディは「ドレイク」と愛称ではなく苗字で呼んでいるのです。このことから、エディはネイトに対して愛称で呼ばない感情と理由があることが分かるのです。

同様に、「砂漠に眠るアトランティス」ではチャーリー・カッターに対して日本語音声ではネイトやクロエは「カッター」と苗字で呼びかけますが、英語音声では「チャーリー」と名前で呼んでいるほか、サリーとカッターの間でシェイクスピアのマクベスからのセリフを引用した会話があります。イギリスで誤って用いられるセリフ(“Lead on, Macduff”)をサリーが言い、カッターが訂正するというものです。

カッターが映画や文学を好むインテリであることがより強調されているシーンですが、サリーが文学を好むカッターのことをよく知っている、つまり今回の件で初めて組んだわけではないということが伺えるシーンでもあると思います。一方、日本語音声ではシェイクスピアとは関連付かない「狭いところは苦手だ」というセリフに置き換えられていて、カッターの閉所恐怖症を示唆する内容が重複しています。

このように、キャラクターの関係について日本語音声と英語音声では微妙な違いがあるように聞こえるのです。

キャラクターの国籍が活かされたセリフ

特にアンチャーテッドシリーズにおいて、キャラクターのセリフに個性が出ていることが多くあります。「エル・ドラドの秘宝」のエディはローマンからクビを言い渡されるシーンで唾を吐きつつ暴言を投げかけます。この場面、英語音声ではローマンとの会話は英語ですが去り際の暴言はインドネシア語で喋っていて、思わず母国語が出てしまうほどの激昂ぶりが伝わってきます。

「黄金刀と消えた船団」ではフリンがネイトに博物館への侵入計画を説明し終わったとき、「何てことない」と締めますが、英語では”Bob’s your uncle.”と言っています。また、「砂漠に眠るアトランティス」では足を骨折したカッターが「ああ、くっそ、んだよ!」と叫ぶセリフは、英語音声では”Ah, Shit! Bollocks!”と言っています。”Bob’s your uncle.”や”Bollocks”はイギリス特有のスラングだそうで、イギリス人のフリンやカッターらしい表現だと言えるでしょう。

「砂漠に眠るアトランティス」に登場するアラブ人のラムセスやサリームは英語音声ではネイトとの会話中にアラビア語を挟むことがありますが、日本語音声ではその部分も日本語に訳されていて会話にアラビア語を織り交ぜているということが分かりません。

また、「海賊王と最後の秘宝」のマルチプレイでは、ショアライン勢が南アフリカ語を使うことがあるだけでなくそもそもの英語に南アフリカ訛りがあり、「古代神の秘宝」のアサーブもかなり特徴的なインド訛りの英語を使っています。

曖昧もしくは無難な表現になっている日本語翻訳

日本語吹き替えには誤訳ではないながらも曖昧な表現をしているシーンがいくつかあったように思います。「エル・ドラドの秘宝」ではモンスターが結局何者だったのか分からないままだったプレイヤーもいたのではないでしょうか。日本語ではドレイク卿が書き残したメッセージの内容が「何者かが地獄の門を開き悪魔になった」と訳されていますが、英語では「スペイン人(the Spaniards)が悪魔になった」と言っています。

「黄金刀と消えた船団」ではシェーファーが殺した探検隊の隊員が「ある集団」、「テロリスト」という日本語吹き替えになっていましたが、英語音声ではナチスだと明言されています。日本語音声でプレイしていた場合、シェーファーがテロリストの一員だと誤解し、なぜ仲間を殺したのか分からないかもしれません。英語音声なら話の筋が通り、「エル・ドラドの秘宝」におけるUボートと合わせてアンチャーテッドシリーズの作中世界では第二次世界大戦期のドイツ軍がエル・ドラドやチンターマニ石という伝説を追い求めていて、シェーファーはヒトラーにチンターマニ石を渡したくなかったから仲間を手にかけたということが分かるのです。

一度は英語でプレイしてみることをお勧めします

このように、ある程度の英語が分かれば日本語でプレイするよりアンチャーテッドシリーズ、ラストオブアスシリーズについてもっと深く知ることができるのです。英語が分からなくとも、英語音声+日本語字幕もしくは日本語音声+英語字幕でプレイしてみると音声と字幕で対応していない部分があることに気付き、辞書や翻訳サイトを使って比較してみると日本語では語られていなかった内容が明らかになることもあります。一度は英語でプレイしてみることをお勧めします。

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