ネパールとチベット、ヒマラヤの関係:「黄金刀と消えた船団」

黄金刀と消えた船団
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「黄金刀と消えた船団」の中心となるロケーション

「黄金刀と消えた船団」は、ネイトがかろうじて崖に引っ掛かっている列車車両にぶら下がっている場面から始まります。このシーンのロケーションは雪が降り積もる山岳地帯という風景から連想できる通りのヒマラヤですが、その前にトルコの博物館に侵入しボルネオで情報を得てからネパールで寺院を探し、ラザレビッチの列車に乗ってチベットにたどり着きシャングリラを目指すという経緯があり、ネパールとチベット、そしてヒマラヤが物語の中心になります。この3箇所のロケーションについて、耳にしたことはあるけれど国なのか地域名なのかあいまいになっている方もいるのではないでしょうか。

ネパール

まず、Chapter5で市街戦を行うネパールは国名です。南アジアにあり、国土の東西南がインドに接していて、長方形ではない独特な形の国旗が有名です。ボルネオで黄金刀を見つけたネイトが次の手がかりがあるネパールに足を運ぶと、そこはラザレビッチが扇動した内戦の真っ只中でした。RPGを放つクロエと合流したのちにエレナと再会、負傷したジェフを連れてラザレビッチ一派から逃げ列車に飛び乗るまでがこの国での出来事です。

チベット

続いて、クロエを救うために列車に乗ってからの舞台になるのがチベットです。ネパールの北側にあるチベットは国名ではなく、現在の「チベット」という言葉はチベット高原の広範な地域を指す場合と中国が管理するチベット自治区を指す場合があります。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/92/Tibet_in_China_%28claimed_hatched%29_%28%2Ball_claims_hatched%29.svg/268px-Tibet_in_China_%28claimed_hatched%29_%28%2Ball_claims_hatched%29.svg.png

中国が管理するチベット自治区:wikipediaより引用

http://www.tibethouse.jp/about/mainland/outline/images/illustration_map.jpg

旧チベット文化圏:ダライ・ラマ法王日本代表部事務所より引用

チベット地域およびチベット自治区には複雑な歴史があります。簡潔に説明すると、チベット高原のほぼ全てを自国領土としチベット民族が暮らす主権国家として存立していたチベット国を、1951年に中国が軍事力を背景に併合します。そしてチベット国の領土を分割してそのうちの一つをチベット自治区に設定し、残りを中国本土の青海省や雲南省などに組み入れました。チベット人はこの処遇に納得しているわけではなく、ダライ・ラマ法王14世を指導者として亡命政府を樹立し自治権の拡大を主張しています。

ヒマラヤ

非常に大雑把なヒマラヤ山脈の範囲

そして、ネパールとチベットに挟まれるような位置に存在するのがヒマラヤです。「ヒマラヤ」は国名ではなく「ヒマラヤ山脈」と同義で、世界一標高が高い山として有名なエベレストなど登山で有名な山々があります。

作中ではネイトが脱線した列車をよじ登って崖上に到達するシーンからエンディングまでがチベットにあるヒマラヤ山脈での出来事です。テンジンが住む山間の村もヒマラヤにあり、現実世界のヒマラヤでも作中世界と同じようにヤクを飼育し農業やシェルパ業で生活を営んでいる村があるようです。

テンジンが住む山間の村はヒマラヤにありますが、チベット自治区に属する土地ではない可能性が高いです。ヒマラヤ山脈は北麓がチベット自治区に面し、南麓はネパール、インド、ブータン、パキスタンという四つの国に面しています。ラザレビッチの列車に漢字が書いてある貨物が積んであったことから物資は中国から調達してネパールに輸送したと考えられますが、現実世界において現在のところヒマラヤ南麓から北麓に抜ける線路は存在しません(2022年にネパールとチベット自治区を結ぶ鉄道が開通予定になっています)。

また、チベット自治区においては外国人の宿泊に制限があるようです。

ある場所では外国人旅行者が泊まれるのはホテルだけですが、別の場所ではチベット人の家庭への宿泊が可能です。ただし、地元のチベット人の家庭に泊まる外国人は、当局の監視を受けます。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所:チベット旅行者のための状況説明書より引用

そのため、「黄金刀と消えた船団」においてチベット自治区には足を踏み入れておらず、山間の村は現在のチベット自治区ではないチベット地域のどこかにあると考えられます。

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